佐倉市版ネウボラを掲げる周産期の取り組み
1981年の開院以来、千葉県佐倉市で分娩を扱い続けてきた長岡産婦人科クリニック。運営母体は医療法人社団陽政会で、思春期相談・産前産後ケア・子育て支援センター・小規模保育を同一施設内に集約した周産期包括支援の仕組みを整えている。フィンランド発祥の「ネウボラ」――助言の場を意味する概念――を地域に根づかせることを目標に掲げ、佐倉市版ネウボラの実現へ動いている。妊娠期から育児期まで相談先が途切れない環境を、ひとつの建物の中でつくり上げようとする姿勢が際立つ。
現院長の長岡理大医師は、実はこのクリニックで生まれた。生まれ育った土地の周産期医療に携わりたいという思いから、2022年4月に事業を承継している。お産は命懸けだという認識を前面に出しつつ、新しい命の誕生に立ち会える仕事への敬意を繰り返し語る姿が印象的だった。次世代へ命をつないでいく医療を、親子二代の体制で維持し続けている。
生理不順から更年期まで――女性のライフステージに応じた診療
女性医師の診察枠を火曜・金曜に定期設置し、土曜にも不定期で対応している。「男性医師だと話しにくい」という声に応えた体制で、がん検診や避妊相談、ブライダルチェックといった受診目的にも幅広く対応。医師と助産師が連携しながら診察にあたるため、問診から検査・説明まで複数の視点が入る流れになっている。妊娠・出産だけでなく、子宮や卵巣の疾患、更年期障害の相談で通院する患者層も厚い。
「ちょっと気になる程度で受診していいのか迷ったけれど、丁寧に話を聞いてもらえた」という声が目立つ。些細な体調変化でも相談しやすい空気があるようで、初診のハードルは比較的低いと感じる利用者も多い。生理不順のような日常的な不調から専門的な検査まで、一か所でカバーできる診療範囲の広さが通い続ける理由になっているらしい。
親子二代の専門医が支える診療基盤
理事長の長岡貞雄医師は1965年に東邦大学医学部を卒業後、同大学産婦人科教室や国立習志野病院での勤務を経て1981年に開業した。医学博士としての長いキャリアがクリニック全体の診療水準を底支えしている。一方、院長の理大医師も東邦大学医学部出身で、日本産婦人科学会認定の産婦人科専門医と母体保護法指定医の資格を持つ。東邦大学医療センター佐倉病院や東京女子医科大学での非常勤経験を積んだうえで現職に就いた。
個人的には、同じ大学医学部の出身でありながら世代の異なる二人が同じ診察室に立っているという構図に、地域医療の継承のリアルさを感じた。院長は日常の体調管理や予防にも目を配り、健診の受診勧奨を積極的に行っている。専門医としての判断と、かかりつけ医としての距離感を両立させる運営が続いている。
京成臼井駅徒歩7分・予約制で待ち時間を抑えた受診環境
京成臼井駅から徒歩約7分、水道道路沿いのウエルシア薬局向かいに位置する。駐車場は2か所を確保しており、第1駐車場は24時間利用可能、第2駐車場は8時から19時まで開放。車での来院が中心の佐倉エリアでは、駐車スペースの余裕が通院先を選ぶ際の判断材料になりやすい。予約制を採用しているため、待合室での長時間待機が起きにくい仕組みになっている。
診療は月曜から土曜まで対応し、受付は午前8時30分〜12時・午後14時〜16時30分、木曜午後のみ14時30分開始となる。診療時間は午前9時〜12時30分、午後14時30分〜17時で、木曜午後は15時から。日曜・祝日・お盆・年末年始は休診で、受付終了は診療開始の30分前に設定されている。土曜診療がある点を含め、平日に時間を取りにくい層にも利用しやすいスケジュールだという声が聞かれる。



