院長自身が組み立てた矯正法
田代接骨院の技術的な背景を語るうえで外せないのが、院長の田代がJRC(関節可動回復矯正法)の開発者そのものだという事実である。中村五郎先生の協力を得ながら、関節包内で起きる1〜2mm程度のごく小さな動きに着目し、位置ではなく可動の回復を目的とする矯正として形にしてきた。近代医学の理論をもとに臨床研究を重ね、その効果を確かめながら磨かれてきた手技だ。
たとえるなら、機械のさびついた全体ではなく、動きを悪くしている継ぎ目のさびをまず取る発想に近い。原因となる関節の動きが良くなると、連動する他の関節も動き出し、身体が本来持つ治癒力が再び働き始めるという考え方に立っている。田代接骨院では、この優しさと効果を両立させた矯正を日々の施術の中心に据えている。
著書とセミナーが示す蓄積
田代が積み重ねてきたものは、院内の施術にとどまらない。2009年には知道出版から『もっと楽になるからだの話』を著し、手技セミナーも定期的に開いて、JRCを他の施術家へ伝えてきた。実際にこの手技を学んだ施術家からは、難治の症例に突破口が見つかった、施術が楽しくなったといった声が数多く届いている。
個人的に取材していて興味深かったのは、院の外に向けて技術を開く姿勢が、そのまま院内の対応力の厚みにつながっている点だった。多くの施術家に教える立場にある人が日々現場に立っているという事実は、通う側にとって安心材料になるはずだ。田代接骨院の施術は、そうした蓄積の上に成り立っている。
プロの身体に通用する調整
長年肉体を酷使してきた競輪選手が、田代接骨院には多く来院している。競技の特性上、約90%の選手に左仙腸関節の可動制限がみられ、落車後のリハビリや高負荷トレーニング後のケア、競走前のコンディショニングにJRCが活用されてきた。繊細な可動バランスを求めるプロの身体に応えられるという事実は、技術の精度を物語っている。
S級やA級の選手からは、股関節の外旋の制限を整えると競走中に足がスムーズに動く、恥骨を矯正すると殿筋を有効に使ってペダルを踏めるようになった、といった具体的な感想が寄せられている。こうした競技者への対応で培った精度が、一般の来院者への施術にもそのまま活きている。腰や膝、肩、首の痛みに骨盤から迫る発想は、まさにこの技術の延長線上にある。
優しさと効果を両立させる理由
JRCの施術は、ゴキゴキと音を立てるような矯正とは対極にある。動いたかどうか本人にはよく分からない程度の、赤ちゃんの頬を撫でるような力で関節を扱う。それでいて効果が表れるのは、関節が動くときに内部で起きる関節包内運動をケアしているからだ、という理屈が田代接骨院の施術を支えている。
効き目には個人差があり、その場で変化を感じる人もいれば、数日後に表れる人もいる。炎症や損傷が瞬時に消えるわけではないため、電気ケアを続けながら痛みの変化を追っていく。矯正は週1回ほど、最低3〜5回が一つの目安で、焦らず段階を踏むことを田代接骨院は勧めている。この地道さが、長く身体と付き合ううえでの手堅さになっている。



